「あー、これは、本当の、光景なんでしょうね…」
朝のニュースで聞いた言葉が耳から離れません。
「おはよう日本」阿部アナウンサーの言葉です。
眼下に広がる光景を信じたくない気持ちから、
絞り出すように、切れぎれになった言葉。
当時、阿部アナウンサーが山の上から見たのは、
普通の人々が普通に暮らしていた街でした。
あの日までは。
ニュースでは5年前と今を取材した方も紹介。
夏が来てもクーラーを使わなかった佐々木さん。
どうしてそこまで我慢されたのか?
電気代を節約した理由を語っておられました。
「また家を建てたい 自分の力で」
なるほど…だからクーラーなしで…
ですが、
5年経った今でも何も変わっていないようです。
家を失くす事=物を失くす事ではないのでしょう。
家族が暮らし思い出が詰まる心のよりどころ。
佐々木さんがまた家を建てたいと思う理由は、
そこにあるのかも知れません。
寒の戻りが去るともうすぐ春が訪れます。
東北の本当の春はまだ先かも知れませんが、
佐々木さんを応援したいと思います。
家をつくる仕事に携わる者として、
普段筆不精の私も今日は筆を取りました。
佐々木さんに早く春が訪れますように。